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2021年8月30日
最低賃金の引き上げに伴い一般賃金の額が変更になる場合があります
令和3年10月から地域別最低賃金が全国平均で28円引き上げになります。
(各都道府県の地域別最低賃金については地方最低賃金審議会で審議中です)
労使協定方式を採用している派遣会社は、最低賃金の引き上げに伴い一般賃金の額が変更になる場合がありますので、下記をご確認いただき必要な場合はご対応くださいますようお願いいたします。
●一般賃金の額の算出
一般賃金の額 | 職種別の基準値×能力・経験調整指数×地域指数 |
一般賃金の額の算出の結果、地域別最低賃金又は特定最低賃金を下回る場合には、地域別最低賃金又は特定最低賃金の額(以下「最低賃金」という)を「基準値」の額とした上で、当該額に能力・経験調整指数を乗じることにより、一般賃金の額を算出することとされています。
●職種別の基準値×能力・経験調整指数×地域指数 < 最低賃金の場合
一般賃金の額 | 最低賃金×能力・経験調整指数 |
職種別の基準値が低く、地域指数が100%を切っている地域ではこちらが適用になる場合がありますのでご注意ください。
最低賃金を基に一般賃金を算出することになった場合、退職金に関しては、退職手当制度を採用している場合は変更ありませんが、一般賃金に退職金を含めている場合は、最低賃金×能力・経験調整指数×6%が退職金の金額になり、退職金の額も含めた一般賃金の変更が必要になります。
一般賃金の額が変更になった場合は、労使協定で締結した一般賃金の額の適用がなくなり、令和3年10月以降の分として新たに労使協定を作成し、締結し直す必要があります。
派遣先均等均衡方式を採用している場合は、派遣先の通常の労働者の賃金を基に派遣労働者の賃金を決定するため、通常はあまり影響が出ないと思われますが、今回は最低賃金の引き上げ幅が大きいため、賃金引き上げになる場合もあるかもしれません。
最低賃金に関しては全国平均で28円の引き上げは過去最大となっていますが、基本的に毎年上昇するものですので、引き上げ幅に慌てないように対応していきましょう。

社会保険労務士法人ユアサイド
工藤 あさみ(くどう あさみ)
早稲田大学 第二文学部卒業後、平成27年社会保険労務士法人ユアサイド入職。平成29年社労士試験合格、登録。派遣会社での労務管理経験を活かし、労務相談等を行う。「親しみのある社労士」を目指して日々邁進中。