用語集一覧

あ行

育児休業

育児・介護休業法に定められた制度。子が出生から満一歳に達するまで継続して休業できる。産後休暇に連続して取得することも、一旦復職して新たに取得することも可能。多くの企業の場合、期間中は無給で昇給や昇進が見送られる。ただ、社会保険に関しては免除と なり、住民税も最長1年の猶予が認められる。休暇を申請できるのは男性・女性を問わないが、男性の取得者は未だ極めて少ないのが実態である。

請負契約

契約した仕事の内容の完成を目的とする民事上の契約(民法第632条)。通常の指揮命令に服さず「事業主」として独立して仕事を完成させる。労働基準法上の労働者には当たらないので、労働関係の法律の適用がない。伝統的には建築工事請負などが代表的であったが、就業形態の多様化、業務の多様化を受け て「テレワーカー」等、最近は様々な分野で増加傾向にある。労働法により保護の適用がないので、経済的従属労働者や1社専属契約の場合には問題も多い。

か行

介護休業

要介護状態にある対象家族を介護するために取得できる休業。
介護休業は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づき労働者が請求できる権利です。もし、会社に介護休業の制度がなくても、申請すれば取得することができます。従業員が休業申請をした場合、会社は原則としてそれを拒むことはできません。また、休業を取得・申請したことを理由に、解雇・減俸などの「不利益な取り扱い」を行うことも禁じられています。(育児休業と同様です)

期間を定めて雇用される労働者も一定の要件を満たせば介護休業の対象となります。雇用期間が1年未満の労働者などは、労使協定で適用除外になることがあります。

休業期間は「連続する3ヶ月以内」(公務員の場合は6ヶ月以内)。
このなかには「介護のための勤務時間短縮」も含まれます。
1人の介護対象者に対して、通算93日まで3回を上限として、分割して取得が可能です。
(2017.1.1育児・介護休業法改正による)

休業開始予定日の2週間前までに申し出ることが必要です。

<対象家族とは>
配偶者、両親及び子供、配偶者の両親、同居かつ扶養している祖父母や孫・兄弟姉妹

<要介護状態とは>
負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態。

<介護休業中の賃金の支払いは>
介護休業法に定められていないため、会社により異なります。
また、育児休業とは違い、社会保険等の支払免除はありません。
ただし、場合によっては雇用保険から月額賃金の67%(介護休業開始が平成28年8月以降の場合)の「介護休業給付金」が支給されることがあります。

偽装請負

製造の請負契約では、請負会社が製品を完成させ、メーカーに引き渡すのが本来の姿。しかし、多くのメーカーが自社工場の構内に請負労働者を受け入れたため、直接指示したり、メーカー側の社員と混在して働かせたりするケースが頻発。こうした労働実態では請負とはいえず、労働者派遣とみなされ、法令違反となる。また、偽装請負状態だと、使用者責任があいまいになり労働災害や社会保険の未加入も招きやすい。

コアタイム

フレックスタイムで勤務している労働者が一日の中で必ず勤務しなくてならない時間帯のこと。

厚生年金保険

民間企業の勤労者を対象として、国民年金に上乗せする給付を支給し、老後の所得保障の充実を図る目的で導入された公的年金制度。被保険者が65歳以上になって受け取る老齢年金、病気や怪我などによって働けなくなったときに受け取る障害年金、被保険者が死亡してその扶養者が受け取る遺族年金の3つに分かれる。
今問題になっているのは、年金が積み立て方式ではなく「世代間扶養」となっているため、将来の少子高齢化に向け、誰が年金を支えるのか、ということ。低金利や株価の低迷が続いたため、厚生年金基金を運用する企業でも、予定利率と運用利率の逆ザヤによる負担が大きくなり、代行返上するケースも目立つ。

さ行

産前休業

労働基準法65条による。6週間(多胎妊娠の場合には14週間)以内に出産を予定している女性から休業の請求があった場合には、産前休業を与えなければならない。産前休業は、本人の意思による。

産後休業

労働基準法65条による。出産後8週間を経過していない女性は就業させてはならないる。ただし6週間を経過した女性から請求があり、医師が支障ないと認めた業務につかせることは、差し支えない。産前休業が申し出によるのに対して、産後休業は強制である点に注意が必要。

36協定

労働基準法36条に基づく労使間の協定。労基法では労働時間を1日8時間、一週40時間を越えてはならない、と規定している。そしてそれを超える場合や休日に出勤させる場合には、使用者側と当該事業場の過半数で組織する労働組合か、過半数の労働者を代表する者との間で協定を結び、行政官庁(労働基準監督署)に届け出ねばならない。その場合でも月45時間、一年で360時間が限度。特別条項によってそれ以上の残業も認められる場合がある。協定では具体的事由、業務の種類、従事する労働者の数、延長できる時間等具体的に締結する必要がある。

職能資格制度

社員の職務遂行能力を評価し、その能力の段階に応じて資格等級を決める制度。仕事の困難度や責任度などをもとにして職能資格区分を設け、各職能資格等級に該当する職務遂行能力の種類や程度を明確にした、「職能資格等級基準」を設定し、人事処遇に反映させるもの。本来は能力主義人事制度だが、能力は蓄積されるという考え方から、降格を伴わず、年功的に運営される場合がほとんどで、見直されつつある。

所定労働時間

法律で決まっている労働時間とは別に、就業規則で決まっている労働時間のこと。当然、会社ごと、あるいは事業場ごとに違ってくる。ただし、1日8時間、1週40時間の範囲内でなければならないのは言うまでもない。

絶対評価

考課基準を設定し、それに基づいて、社員一人ひとりの能力や成績、執務態度を把握する方法。職務遂行の具体的事実を考課材料として、共通のものさしである考課基準に照らして考課を行う。人事考課の最重要の目的である能力開発という観点に立ったとき、資格等級に応じた基準と、それによる評価が必要なことは言うまでもない。

相対評価

ある人とある人とを比較して、相対的に評価するもの。(絶対的な)考課基準に判断の根拠を求めるのではなく実施する考課方法。全ての条件が同一の場合のみ有効。公正な処遇や、考課結果のフィードバックを通じた能力開発に結びつけることはできない。前向きではなく、場合によっては足の引っ張り合いを生じさせる可能性もある。

時間外労働

法定労働時間を超える残業。割増賃金を支払う必要があります。
※満18歳未満の人の時間外労働は認められていません。

裁量労働制

裁量労働制とは、仕事の仕方が労働者の裁量にゆだねられる業務について、労働時間の計算を実際かかった時間ではなく、みなし時間によって行うことを認める制度です。労働を、時間ではなく成果ではかるため、仕事をいつ行うか、いかにして行うかを労働者本人が自由に決められます。研究やデザインといった専門的な業務については、従来から、労使協定によりみなし時間制を導入するところがありましたが、2000年から、会社の中枢(本社など)における企画・立案・調査・分析業務に対しても裁量労働制が適用できるようになりました。

人材派遣の定義

労働者派遣法のなかで次のように定義されています。「派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために従事させること」つまり、派遣会社の社員として、派遣先企業で派遣先企業の命令で働くが、あくまでも身分は派遣会社の社員であるわけです。
人材派遣会社は、自社の社員を労働力として提供し、その対価を受け取ります。正社員・契約社員とは異なるこのスタイルは間接雇用とも呼ばれます。派遣社員はあくまでも派遣元の社員ですから給与そのほかの労働条件は派遣会社とのやりとりになるわけです。派遣会社は、派遣先の要望に基づいた人材を送り込みますが、もちろん派遣される労働者の希望も無視はできません。先方がいくら忙しいといっても残業や休日出勤の強要もできませんし、そうした交渉も派遣会社の担当者が代行することになります。
ただ、仕事の内容について、日常の業務に関する指揮命令は派遣先の企業においてなされることが認められているので、すべてを担当者任せというわけではありませんし、実際の仕事場で長く顔をあわせる派遣先の同僚や上司と力をあわせよりよく仕事をする努力をすべき点は、直接雇用の正社員・契約社員となんらかわりがありません。

た行

賃金

1.労働に対する報酬として会社から支払われるもの。
2.基本給、残業手当、住宅手当、家族手当、賞与など。
ただし、会社からの恩恵として受け取るものは賃金には入りません。賃金は、労働者の労働に対する報酬です。よって欠勤・遅刻・ストライキに参加した場合は、その分の賃金の支払はありません。(ノーワーク・ノーペイの原則)
例外:年次有給休暇、休業手当(給与の60%)、育児・介護休暇(国からの支給)

デジシート

デジシート(DigiSheet)とは、デジタル化+タイムシートの造語です。導入派遣先数4,500社以上、利用ユーザ数40,000名以上の実績を持つ、人材派遣業者向けの、タイムシートをデジタル管理するサービスを提供しております。ASP(Application Service Provider) でサービスが提供されるため、お客様の環境に製品をインストールする必要はありません。ブラウザがあれば全てのサービスをご利用いただけます。派遣スタッフにより入力された勤怠データは、株式会社ヒューアップテクノロジーが管理するサーバーで一元管理され、派遣スタッフ、派遣先企業の担当者(承認者)、派遣元企業の担当者(管理者)の各利用画面から、閲覧・承認・自動集計されます。これにより、これまでのタイムシート(紙)を介した管理方法の無駄をすべて排除して、派遣スタッフ、派遣先企業の担当者(承認者)、派遣元企業の担当者(管理者)の三者にとって、もっとも効率的な勤怠管理を実現することができます。

な行

ナレッジマネジメント

知識管理とか知識経営と訳されている。個人の持っている知識や情報を社内で共有化し、より創造的な仕事に結び付けようとするもの。ここで言う知識・情報はマニュアルのように言語化され目に見えるようになった(形式知)ものだけではなく、経験則や仕事のノウハウといった言語化されにくいもの(暗黙知)を含む。むしろ暗黙知を形式知化して共有することが大切だとする。従来、日本企業では自然な形で行われていたとされるが、経営の統合・分割、OJTの形骸化等、経営環境の変化に伴い、あらためて情報共有のシステム構築が注目されている。

ニート(NEET)

無業者のこと。(Not in Employment Education or Training)もとは英国の労働政策から出てきた言葉。フリーターは就職意欲のある人たちだが、ニートは同年代で就職意欲のない人たちのこと。統計上現われ難く、実態がつかみづらいが、ある調査によると2008年現在で64万人に達し、同世代の約2%強に相当するとされる。この数字は10年前の約1.9倍。

26業務

96年改正された、労働者派遣法令(政令)に定められた26業務。ソフトウェア開発、放送関係、設計やインテリアコーディネート、アナウンサー等業務内容が特殊で、派遣という雇用形態にマッチしていると考えられている業務。85年の派遣法制定以来、派遣受け入れ期間についての制限はない。

は行

法定労働時間

会社(使用者)の指揮・管理下にあって、労働を提供している時間を「労働時間」といいます。休憩時間・通勤時間は含みません。法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間の上限のことで、「1日8時間、1週間40時間」です。なお、事業場によっては上限の例外もあります。
また、管理監督者(役職名でなく、業務内容で判断)、機密事務取扱者、監視・断続的労働者(守衛・運転手など)、農業・蓄産水産業の労働者は法定労働時間が適用されません。(深夜労働については適用)

フリーター

国民生活白書では、学生と主婦を除く15~34歳の人のうち、正社員以外の雇用者と、働く意思のある人をフリーターとして集計している。その数は現在170万人いると言われる。フリーター問題で重要なのは、職業能力の蓄積、社会保険制度、賃金問題等広範において、本人は勿論、社会的にも、将来に亘っても、負の影響が大きいことが予測されることである。

パートタイム

パートタイマーとは「1日、1週間、1ヶ月の労働時間が当該事業場で働く従業員の所定労働時間に比して、相当程度短いもの」という定義づけがなされているが、実質的には正社員と変わらない労働に従事しているものが多い。一定の要件を充たせば、雇用保険・健康保険・厚生年金の対象となる。以前は安価な労働力確保のためであったが、バブル期人手不足の中、戦力として期待されるようになった。ここ数年、パート比率はますます上昇し、平成29年1月で約1,000万人。同一労働・同一賃金や残業問題、厚生年金、配偶者控除との関係等様々な問題を抱えながら、流通業界では店長になる人も現われるなど、その重要性が増している。厚生労働省も「パートタイム労働指針」を出して、待遇改善に努めている。

バランス・スコアカード

キャプランとノートンによって提唱された業績評価システムのフレームワーク。組織が本来果たすべき使命を明確にした上で、4つの視点から目標と戦略を策定するモデル。4つの視点とは、「財務の視点」「顧客の視点」「内部プロセスの視点」「人材と変革の視点」のこと。短期的利益追求に偏りがちであった評価を、中・長期的に視点に改めたもの。4つの視点は互いに連鎖し、影響し合う関係にあることから、全体最適化を思考することが可能となる。

フィードバック

ある人の行動が、他の人にどのように受け止められ、影響を与えたかを知らせることで、その人の行動変容を促すことを援助する方法である。フィードバックは一方的に行われるものではなく、相互援助的に行われるものである。注意点として、あくまでも事実データに基づいた、その人の行動に対してであって、人格攻撃ではないこと、相手の成長を願う相互援助関係であること、本人の努力によって変えられないものは対象外であること、などが挙げられる。

フレックスタイム

一定時間の中で労働者が自ら始業時間・終業時間を自由に決められる労働時間制のこと。一般的には、標準的労働時間と労働しても良い時間帯、コアタイム(固定時間)とフレキシブルタイムを定める。就業規則に定めた上、労働者の過半を占める組合若しくは代表者との協定を締結しなければならない。個人の都合や業務の繁閑に応じて柔軟に対応できるメリットがある。

プロセス評価

成果に至るまでの過程の良し悪しを評価するもの。成果主義人事制度導入の先行事例が、 結果として短期的目標の達成ばかりに目が行きがちになった反省を踏まえ、現在どれだけ成果に貢献しうる行動を取っているか、を評価する。業務目標と達成度をアウトプット評価=リザルト評価、行動目標と達成度をプロセス評価とする、あるいは職能資格制度の情意考課や能力考課(ただし発揮能力)と読み替える場合もある。代表的なものにコンピテンシー評価がある。

法定休日

労働基準法35条1項は「使用者は労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と定め、2項で「前項の規定は4週間に4日以上の休日を与える使用者については適用しない」と定めています。
割増賃金の対象になる休日労働とはこの1週1回、4週4日の休日に働くことで、週休2日制の場合は法定休日の他に1日休日があり、この日に労働しても休日労働とはなりません。ただし、週の法定労働時間を超えれば時間外労働となり、割増率は2割5分増以上であれば労使が決めることができます。

ま行

みなし労働時間

「事業場外労働に関するみなし労働時間制」と「裁量労働に関するみなし労働時間制」の2種類があります。「事業場外労働に関するみなし労働時間制」とは、報道記者の取材や外勤の営業など、会社の外で行われる勤務について、あらかじめ会社と労働者との間で、この仕事にはこれくらいの時間がかかるということを取り決めて、業務量から労働時間をはかろうという趣旨のものです。実際の勤務時間が所定労働時間より長くても短くても、所定労働時間勤務したとします。導入方法は、労使協定を締結し提出します。三六協定の届出様式に、みなし労働時間を付記して届け出ることもできます。また労使協定で定める時間が法定労働時間以下の場合には届出の必要はありません。

や行

有給休暇

仕事を休んでも給与が出る休暇のことを年次有給休暇といいます。(事前申請が必要です。)労働基準法では、6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日間の有給休暇を与えなければならないとしています。以降、勤続年数の増加に伴い、有給休暇日数も増加します。パートやアルバイトなどの所定労働時間が少ない労働者についても、その所定労働時間や労働日数に比例して、その比率により一定日数の有給休暇をもらうことができます。

ら行

労使協定

労働基準法によって、その締結の要件や内容が特定されているもの。締結の主体者は、使用者と当該事業場の労働者の過半数が属する組合、組合がない場合には過半数を代表する者で、組合が存在しなくても締結できる。36協定を代表として、17種類ある。労使協定を締結すれば、労働基準法の定めに違反しない(例えば、残業等)という免罰的効力が発生する。通常は就業規則の定めに基づいて締結される。

労働者派遣法

1985年に制定された法律。それまでは民間の派遣は職安法で禁止されていたが、「業務処理請負業」として違法な形で行われており、契約関係でもトラブルが多かった。そこで、トラブルの回避と需給の円滑化のために制定された。当初専門性の高い13業務に限定されていたが、96年いわゆる26業務となり、99年改正により、製造・医療・港湾・警備等を除き原則自由化された。原則自由化により派遣で働くことができることになった業務については派遣受入れ期間の制限が加えられたが、26業務については元々受け入れ期間の制限はない。更に03年製造業も解禁され、1年に制限されていた業務が3年に延長される等大幅に改正された。

わ行

ワークシェアリング

仕事を分け合うこと。 総雇用量が一定数と仮定すると、誰かが雇用されれば、その分他の人の雇用が失われてしまうため、 総労働量をみんなで分け合い、できるだけ多くの雇用を確保しようとする考え。ドイツを中心にヨーロッパで労働時間の短縮の考えと共に発達してきた。 日本では、雇用の維持と引き換えに賃金を抑制しようという方向で捉えられることが多い。