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2022年5月13日

育児・介護休業法改正に伴う労使協定の再締結について

令和3年改正育児・介護休業法により、令和4年4月1日より

「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」に関する改正が施行されております。

この改正に際し、労使協定を再締結しなければならない、というのが今回のお話です。

 

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和についておさらいをしましょう。

有期雇用労働者が育児・介護休業を取得する従前の要件は以下の2つでしたが①の要件が令和4年4月1日から撤廃されています。

① 引き続き雇用された期間が1年以上

② 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

 

また、以前から労使協定を締結することにより育児・介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定労働時間の制限、短時間勤務の対象者を限定することができました。

改正後に育児・介護休業の対象となった「引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者」についてもこの労使協定で除外することができます。

 

改正前に締結した労使協定において、育児・介護休業の申出を拒むことができる従業員に

「入社1年未満の従業員」の記載があると思われます。

上記の「従業員」は無期雇用とも有期雇用とも限定していませんから、改正後に育児・介護休業の取得対象となった「引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者」についても有効な条文であるような気になってしまいます。

 

ですが、改正前は「引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者」について、

育児・介護休業申出の権利すらありませんでした。

当然、改正前に締結した労使協定における「入社1年未満の従業員」は無期雇用労働者のみを対象としていると解されます。

 

労使協定を再締結しない場合には、「入社1年未満の有期雇用労働者」から休業の申出があっても、これを拒めないという事態が発生するかもしれません。

ですから、労使協定を再締結しなければならないのです。

 

令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(Q4-3、A4-3)にも同様の記載があります。

その他のQ&Aと合わせて確認しておきましょう。

 

 

 

社会保険労務士法人ユアサイド

綿引 文生(わたびき ふみお)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。

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