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2022年7月28日

コミュニケーションの条件を映画に知る!

何年ぶりかで映画館に。

どちらかと言うと、眉間にシワの寄るような深刻な物語は苦手。苦手と言うより、せめて映画くらい架空の楽しい世界に浸かりたいと思い、できれば「あはは」で始まり、「アハハ」でエンドロールを迎えたいと言うタチです。となれば、邦画よりはハリウッド映画のほうが性に合ってると勝手判断。ああ、それなのに、です。何を思ったか「PLAN 75」の切符を買ったのです。

 

自分の意思で生きるか死ぬか?

 テーマは知っていました。

75歳以上になると自らの生死を選択できる「プラン75」と言う制度について。

なんと言う恐ろしいテーマか!と異論反論を唱えるつもりだったのに、気付いたらエンドロールを迎えていました。ただでさえ、エンドロールなどと言う、見てきた画面を頭の中で再現しながらと言うか、感慨にふけりながら映画の筋書きを追うなんて、そんな悠長なことできるはずもないセッカチの私です。なのに、な、なんと、取り憑かれたようにスクリーンを眺めているではありませんか。それほど、この映画のテーマが今を語るにふさわしいものだったのです。

 

生きる条件は生きたい条件

筋書きを追うのはここではやめておきますが、簡単に言えば、75歳の女性が自分の未来に幕を下ろす決断を自らがする!と言うだけの話です。日本ではご法度のテーマかもしれませんが、現実にはそれを行う国もあるとか。そう言う点では、全くの絵空ごとではありません。それが余計に現実感を漂わせ。結論を言えば、主人公の女性は「そのつもりだった」けど、翻意する!決断に至るのです。

「なんだ、やっぱりそうか」となりがちですが、そこに到るまでが詳細に語られます。

ひとり語りではなく、「そのこと」を世話するコミュニケーターと言うか、コールセンタ〜の若い女性スタッフとの交流です。

情が移るからという、いかにも人間臭い表現で相談者とは「会わない」ルールの上、最期を迎えるまでの方法を電話で説明を受ける主人公。コールセンターの女性担当者は、これも相互に感情の交換がなされにくい年齢として20代と思われるような若さ。徹底されたルールのはずが、ふとしたことで掟破りを。そう、食事をすることになるのです。

 

心通わせるものは言葉から

結局、心通わせ、心のどこか隅っこに、「生きてもいいか」と言う心もちになる年寄りなのです。ここまでの心の変化が、主人公の深く刻まれた顔や手のシワ、シミが、残酷なまでに映され、目を覆いたくなると言っても過言ではないほどに。それこそがいろんな荒波を超えて生きてきた証のように。人が生きる、生き続けられるには、様々な条件があるのでしょう。家族、健康、経済、コミュニティ。どれが欠けてもやっていけない。何だけあれば良い、と言うものでもない。ただ、映画は言います。それが家族という血のつながりがあるものでなければならないというのではなく、他人でもいいから、心の交流があればなんとか生きて行けると。

 

コミュニケーションの意味

その心の交流を、コミュニケーションとしているのです。

顔の見えない電話より、実際に合って話す会話が心を和ませ笑顔を作る。お互いの顔を見て相手の表情を確認し、それに応えてこちらも笑顔で返す。この交流、コミュニケーションを通して、相手を知る以上に自分の気持ちを知っていくのです。この流れの大事さを嫌というほど映画は教えてくれます。

人は優しい。人は善人。人は生きたい。

様々なシーンで、その反対の位置にいる人たちも映し出されるのですが、ちょっとしたきっかけでそこにいるだけだと。生きないことを選んだ人たちの持ち物チェックをする仕事の人たちの画面に見え隠れする善意とその反対。その人たちの心の迷いが人は本質的に優しく善良だと教えてくれます。

コミュニケーションを軸足とする仕事の人材ビジネスで、そこを肝としている意味を把握しておくことが必須です。その方法論は様々ですが、兎にも角にも、それを欠いては人材ビジネスは成り立たないことを肝に命じることです。

コミュニケーションはどんなビジネスであれ、必須です。

その量の大小はあるものの、人材ビジネスはその点の重要さ、深さ、そしてできうる限り美しい国語という点での正しい日本語で相互に心通うものでありたいと思います。

〇〇の法則や〇〇の条件など、様々なルールにのっとったコミュニケーション法があるのですが、何より重要なのは、「心通うもの」という大前提が必須だと、思い知った映画でした。

 

 

 

株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!

浦 登記(うら とき)

米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。

人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。

1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年   「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞

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