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2025年1月10日
⼿話に学ぶ五感の重要ポイント
⼿話を始めました。⾃分のことで恐縮ですが、何を今さらと思いつつのスタートです。何
度か書いている tictok 仲間に⼿話を必要とする⼈が参加してくれたのがきっかけでした。
⽂字だけで会話できる tictok ゆえの恩恵でした。恩恵という表現もいかがなものかと思い
つつ書いています。
五感を活⽤して⽣きているのが当たり前の⽇常を、思わず反省しました。⾃分に与えられ
ている五感が当たり前でないことを、今さらながら実感したのです。五感のうちの聴覚を⽣
まれた時から持っていない⼈たち、なんらかの出来事で途中で失った⼈たちと、理由はさま
ざまですが五感を持たない⼈たちとの接点を持ったのが衝撃でした。
聴覚障害の⼈たちは、⾝振り⼿振りで相⼿の気持ちや意⾒を把握します。簡単に⾔えば、
相⼿の考えていることを相⼿のジェスチャーを通してキャッチするのです。「⽬で声を聞く」
と⾔えばいいでしょうか。ことの始まりの説明にも四苦⼋苦です。
難聴者は30万⼈
「⽇本には⾝体障害者福祉法の聴覚障害者は30万⼈であるが、ある補聴器メーカー社
⻑は難聴者⼈⼝は1,500万⼈を越える業界の推定を紹介しており、さらに⾼齢者は2,300
万⼈を越えていることから、実際の⽣活に⽀障をきたしている⾼齢難聴者は多い」〜⽂部
科学省〜。また、⼀般社団法⼈⽇本補聴器⼯業会「Japan Track 2018 調査報告」によれば、
2018 年時点の⽇本の難聴者率(難聴またはおそらく難聴だと思っている⼈の割合)
は 11.3%(18 歳以上では 13.2%)と なっている、とあります。
知らない世界だと⾔うには、あまりの多さに驚きを隠せません。
また、こんなデーターもあります。
厚⽣労働省の「平成30年度障害者雇⽤実態調査」によれば、働いている⾝体障がい者(約
42 万3,000⼈と推計)のうち、聴覚・⾔語障がい者は11.5%を占めています。 実際に聴
覚・⾔語障がい者が就いている職業を⾒ると、事務や⽣産⼯程の仕事が 70%近くに上り
ます。
それぞれのデーターを⾒るに、いかに聴覚障害を持つといわれる⼈たちの多さに愕然と
すると共に、その実態に無関⼼だった⾃分に恥⼊りました。⼤きな顔で「コミュニケーショ
ンに関する仕事をしています」としていた⾃分に⾚⾯の思いです。
⼈間の五感から得る情報
それに関して⾔いますと、メラビアンの法則なるものがあります。
すでに何度か紹介していますが、
「コミュニケーションにおいて⾔語情報、聴覚情報、視覚情報がそれぞれ異なるウェイト
で影響を与えるという⼼理学上の法則」で、アメリカの⼼理学者であるアルバート・メラビ
アンが1971年に提唱しました。
その法則では、⾔語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で判断に影響を
与えると⾔われているものです。⾔葉と感情や態度に⽭盾があった場合、⾮⾔語情報(顔の
表情や仕草)からの情報を重視する傾向があることを⽰しています。
テレビや映画で⾒る役者に求められる演技は、そこに⼤きな役割があるからでしょう。⽬
だけで何かを訴える演技⼒に息を飲むなどの表現は、そこに⼤きな意味を感じます。
五感があるとは?
改めてメラビアンの法則を振り返りました。
この法則で重要なポイントは、⽬から⼊る視覚情報(ニコニコしている、睨みつけている、
悲しんでいる、など)と⽿から⼊る情報(優しそう、怒っている、泣いているなど)に誤差
があるか、ないか、という点です。職場で部下にニコニコ笑いながら、成果の上がらなかっ
た仕事について注意しているなどが典型です。優しい声で「来⽉の結果次第で君は降格だ」
などという上司の態度に、部下はどんな対応をすればいいのでしょうか。
優しい声で「こんな成績をお⽗さんに⾒せられないわ」と⼦供を睨みつける⺟親。⼦供
はそのシーンを想像し、恐ろしさのあまり部屋に引きこもるか、ドアを蹴⾶ばして家を出て
しまう。あくまで想像ですが。
⼈は正しい情報を正しく受け取ってこそ、やる気も湧けば戦意喪失もしてしまいます。⾃
分の気持ちや感情を相⼿に正しく伝え、受け⼿の気持ちも間違いなく受け⼊れる。公園にあ
るシーソーゲームです。どちらかが重いとシーソーは動いてくれません。こんな単純な法則
を⾒逃していると、相⼿の気持ちは⾃分から離れ、職場や家庭は声の上がらないシーンとし
たものになって⾏くのです。
ビジネスシーンでは、プレゼンテーションの場などにおいて⾔語情報は重要です。そこに
⾒落としてはいけない視覚、聴覚などの情報が正しく提供されていてことの不可⽋条件、今
さら再確認しています。
株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!
浦 登記(うら とき)
米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。
人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。
1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年 「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞