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2025年2月18日
マイナポータル上で離職票を直接交付するサービスの開始について
2025年1月20日よりマイナポータルを通じて離職票を直接交付するサービスが開始となりました。(2025年1月20日以降ハローワークが処理した電子申請が対象)
直接交付されることで、企業の事務負担軽減や、従業員がいつでも必要な情報にアクセスできる環境が整うため、利便性の向上が期待されます。以下内容を確認して参ります。
【利用条件】
- ハローワークに届出しているマイナンバーが雇用保険被保険者番号と適切に紐付いていること
- 離職者ご自身にマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携を行って頂くこと
- 事業主より電子申請で雇用保険の離職手続きを行って頂くこと
【離職票の直接交付の流れ】
(離職者側)
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- マイナポータル上で雇用保険被保険者番号とマイナンバーの紐づけ確認します。
- マイナポータル上で雇用保険のWEBサービスと連携します。
- マイナポータルの「お知らせ」を確認し、離職票データをダウンロード保存します。
(事業主側)
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- 事業主より電子申請をします。
- 手続き完了後「離職者本人用の公文書は離職者本人へマイナポータル上で直接交付しております」 のメッセージが返信されたら完了です。
【雇用保険被保険者番号とマイナンバーの紐づけ確認方法】
マイナポータルの「私の情報」から雇用保険に関する情報が表示されるか確認をして下さい。
確認出来ないパターンは以下の2通りです。
①画面上に情報が表示されない場合
マイナンバー未登録のため、「個人番号登録・変更届」を提出(または電子申請)してください。
②画面上に前職の事業所名が表示される場合
複数の被保険者番号を保有しているため、「雇用保険被保険者資格(取得・喪失)届等(訂正・取消)願」を提出し、被保険者番号の統一手続きを行ってください。(電子申請不可)
※上記①、②を提出後、紐付には2週間程度かかる見込みです。
【直接交付によるメリット】
- 事業主から離職者へ離職票の発送業務がなくなります。
- 離職票の発送に要する時間が無くなることで、求職者給付の早期受給手続きが可能となります。
- 直接交付された離職票は印刷せずに、ハローワークの窓口で携帯画面を提示することで求職者給付の受給手続きが出来ます。
【注意点】
- 離職票(PDF形式)の閲覧・ダウンロード期限は5年間です。
- 離職者が誤ってデータを削除した場合は、ハローワークで写しの交付が可能です。
- 電子申請完了後、「離職者本人用の公文書は離職者本人へマイナポータル上で直接交付しております」と事業所へ返信が届いても、本人に届かない場合は、マイナポータル上のお知らせ容量が上限値を超えており、送信エラーが出ている可能性があります。この場合は事業所を通じてハローワークに確認頂くか、ご自身で最寄りのハローワークへ本人確認書類を持参の上、写しの交付依頼を行って下さい。
- 喪失届にマイナンバーを記載しても、雇用保険被保険者番号との紐付けには時間がかかるため、直接交付ご希望の場合は2週間前までに「個人番号登録・変更届」を提出して下さい。
離職票の直接交付は事業所のコスト削減と業務の効率化だけでなく、紛失リスクを無くし、求職者給付の早期受給も可能となるため、今後利便性が高まると思われます。離職者からの問い合わせにも対応できるよう社内準備を進めておきましょう。

社会保険労務士法人ユアサイド
綿引 文生(わたびき ふみお)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。