HuApp MEDIA HR業界のお役立ち情報を発信中 昔の忘れられない記憶に⽀えられる
2025年5月16日
昔の忘れられない記憶に⽀えられる
9割の⼈に知られていないけど〜という書き出しの記事に出会いました。思わず視線が⽌まりました。な、な、なんと9割というとほとんどの⼈のことで、例外を⾒つける⽅が困難という数字ではないか。⼀体、どういうことに関してか、と。
全員とか全部などと⾔い切っていないのです。でも、9割とはほとんど全部ではないか!読む者の関⼼を⼀気に集めつつ、肝⼼な点は後半に移ります。「⼈をパワフルに動かすのは思考より感情だ!」と。読みながら、はて、回答はどっちだっけと⾸を捻ってしまいました。ここまで書いて、それこそ結論を出さない流れで始めてしまい、恐縮です。関⼼を引きつけておいて、回答は後ほど、というやり⽅に関⼼したのです。「記憶」という普通のキーワードだけだと、ほぼ、その続きを読む意欲は持てなかったかも知れません。
記憶にも⻑期、短期がある
最近、昔の印象的だったシーンは何ですか?と聞かれ、胸に⼿を当てたことがあります。
⼩さな物⼼つかない2、3歳の頃の懐かしい思い出がふと、顔を出しました。今時の⽅には想像もつかないような、ミカン箱に⼊れられた飼い⽝の思い出です。今にもミカン箱の⽊の⾹りがしてきそうで、そこからワンワン鳴いてる⽝の顔も出てきます。久しぶりの友⼈との会合で、居酒屋で出会うビール瓶の⼊った⽊箱に出会った時、同じ⾹りのする⽝の箱の記憶が出てくるのです。たったそれだけの、結論も何もない思い出ですが不思議に温かい印象として残っているのです。
⻑期記憶はエピソード付き
このように、いつかのエピソードとくっついて忘れられない記憶を⻑期記憶と⾔います。⼈の⻑期記憶にはいろんなものがあります。私のように⼦供の頃の学芸会や卒業式。最近のニュースに⾒るような、⼊社式などの緊張と感動がない混ざった記憶は深く胸に残ります。同席していた両親の涙を流す表情や、ドキドキと波打ちそうな緊張する⾃分の⼼臓の⾳など、ず〜と忘れず瞬時に思い出せると語る⼈は少なくありません。
その保持期間は、数⽇から数⼗年と⾮常に⻑い期間です。⼩学校で習った九九はその代表で、⻑期記憶には情報量に制限がないと⾔われています。九九の練習にエピソードなどは関連がなさそうですが、⼈によっては先⽣に「よく覚えたな、偉いぞ」などと褒められ体験が記憶に結びついているかもしれません。
⼩さくでも感動がつきものの⻑期記憶
私にとっての代表的⻑期記憶に「箱根駅伝」があります。何の興味もなくテレビのスイッチを⼊れただけの、「お正⽉の名物番組」と⾔われる⼤学⽣の駅伝です。たった⼀本の襷を次のランナーに渡すだけのものとしか思えなかったものですが、現城⻄⼤学の櫛部清⼆監督が91年の早⼤1年次に⾛った時のことです。体調不良とさまざまな要因が重なって次の⾛者に襷を渡すためにフラフラになりながら⾛るというシーン。「そこまでするのは何故か?」といった関⼼が、今も感動の箱根駅伝として多くの⼈の語り草になっています。話が⻑くなりましたが、それが私の「⻑期記憶」の⼀つです。
短期記憶がなぜ消えるか
その⼀⽅、短期記憶というものは、数分間から数時間と短い期間で情報を保持し、容量も限られています。⼀時的に覚える電話番号やスーパーでの買い出しメモなどがそれに当たると⾔われています。数秒から数時間と、⽐較的短い時間で記憶処理され脳内から消えてしまうもので、⼀度に5〜9個程度の情報を保持できるとされています。スーパーで買い出したものは、その時に必要だったけれど、買い物が済んだ途端にメモをくちゃくちゃと丸めて捨てると同時に記憶もすて去るのかもしれません。脳の働きの不思議です。これらの記憶のあり⽅を知ると、単にすれ違った程度だったかも知れない相
⼿から⾒て「信頼できる」とか、「こんな⼈と仕事をしてみたい」、「いい⼈と巡り会った」などの、⻑期記憶に変化させることが必要です。
⻑い付き合いになるために
⼈は単に出会い頭にあっただけの⼈から、⻑く付き合うようになった⼈に変化してくることは奇跡ではありません。⼊社時には、「⼝うるさいだけの先輩」だった⼈が、昼間の勤務から退社後の居酒屋での「愚痴を聞いてくれる先輩」に変わったことなどの体験談は、短期記憶から⻑期記憶に変化してきたことの代表です。
最近の「退社⼿続き代⾏ビジネス」は、時代の流れと⾔ってしまえばそれまでですが、短期記憶から⻑期記憶に持っていけないほどの短時間で勝負がついています。ビジネスにおけるコミュニケーションのあり⽅を考える時期になっているのかも知れません。

株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!
浦 登記(うら とき)
米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。
人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。
1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年 「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞