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社会保険上の賞与について

賞与ではないと思っていたのに

会社が従業員(社会保険の被保険者)に賞与を支給したとき、この賞与には社会保険料が発生します。当該賞与の千円未満を切り捨てた額を賞与支払届に記入して届け出ることで賞与分の社会保険料が算定され保険者から徴収されるといった仕組みです。

一般的には夏季賞与、冬季賞与、決算賞与がこれにあたりますが、社会保険における賞与というのは一定の規則に基づいて支給されるもの全般のことを指します。会社の認識とずれることが度々あるため調査が入ったときに指摘をうけ、2年遡って社会保険料の追加納付を指示されることが実際よくあります。

 

社会保険上の賞与は支給頻度で考える!

厚生年金保険法、健康保険法において賞与とは「賃金、給料、俸給、 手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。」と規定されています。

つまり、支給頻度が年3回以内のものは、永年勤続表彰金等の恩恵的なものを除き社会保険上の賞与という取扱いになります。

※支給頻度のカウントは賞与の性質毎に区別して行われます。例えば夏季賞与、冬季賞与、決算賞与で3カウントしますが、成績優秀者に支給される表彰金や資格取得時に支払われる一時金はまた別の性質であるので5カウントとはなりません。

 

たまに支払っているその手当、賞与じゃないですか?

この時期に多いのが年末年始手当でしょうか。世間一般的にお休みとされている年末年始の休日出勤に対して、通常時に支払われる割増賃金とは別に支給されているケースなどがこれにあたり、通常の給与計算時に年末年始手当等の名称を用いて支給していたりします。夏季賞与等と比較すると年末年始手当の支給額は数千円から数万円程度の少額支給となることが多いと思われますが、社会保険上は年に3回以内の支給となるので金銭の多寡とは関係なく賞与という取扱いになります。

 

年4回以上の賞与は【 賞与に係る報酬 】

賞与についても、諸規定により年4回以上の支給が客観的に定められている場合には「賞与に係る報酬」となります。定時決定の際には当該「賞与に係る報酬」の12分の1を加算して申請することになります。ただし、当該規定で支給対象者が一部に限定され、必ずしも年4回以上の支給が想定されない場合は7月1日を起点に過去1年間の支給実績(3回以内の支給か4回以上の支給か)を元に「賞与」であるか「賞与に係る報酬」であるかを判断して処理しなければなりません。

※7月2日以後、当該手当が新設された場合は「賞与」として処理し、次の7月1日以後「賞与」か「賞与に係る報酬」かを判断して処理することになります。

 

正しい理解と処理を心がけましょう

会社で支払っている金銭が「通常の報酬」か「賞与」か、或いは「賞与に係る報酬」かを適切に理解し、処理に誤りがないよう十分な注意が必要です。もし、判断に迷われた場合には社会保険労務士や年金機構等に確認するとよいでしょう。

 

 

 

社会保険労務士法人ユアサイド

綿引 文生(わたびき ふみお)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。