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2023年1月27日

エンディングノートはスターティングノート

新年早々恐縮ですが、昨今の T V コマーシャルやニュース番組の特集には「何
とか終(しま)い」などのキャッチコピーが⽬⽴ちます。「年賀状の終い⽅」と
か、「墓終い」とか、その関連で⾔えば、「エンディングノート」なるものも。
このエンディングノートは今に始まったことではなく、数年も前から「ノートの
書き⽅」と称するセミナーまであり、始まることも⼤事だけれど、続けてきたこ
との「終わり⽅」も無視できないとして位置付けられています。
先般、この「エンディングノートの書き⽅」講座に参加。なかなか⾃分を知る
ために興味深い内容でした。新たな顧客を解析するならわかるけれど、何を今更
⾃分を知るのか〜と、思うこともなくはなかったのですが、せっかくのお誘いで
もあり、⾃分を振り返るチャンスと思い直したのです。

トップページは、「私の基本台帳」

⽒名、⽣年⽉⽇、住所、⾃宅電話番号、携帯番号と始まり、勤務先、などのま
さしく必須項⽬が並びます。
勤務先が⼀つの欄しかないのは、この最初のページが基本台帳、いわゆる「基
本のキ」であり、履歴書ページでないからだと気づくのに時間はかかりませんで
した。とは⾔うものの、何となく⾃分のキャリアに重みがないなぁと若⼲の寂し
さがよぎって、笑いました。
趣味や習いごと、好きな⾷べ物から好きな⾳楽と、個⼈のキャリアというより、
⼈物像を追ったような項⽬が並びます。そして、「思い出の場所」が最終項⽬で
した。これらが個⼈の基本台帳の代表例らしい。「思い出の場所」には何を書こ
うかと、ふと、視線が⽌まって考え込んでしまいました。今までの欄の「決定事
項」とは異なる、「⾃分の感じ⽅」に左右されるものだからです。

キャリアの棚卸し

2枚⽬が学歴欄です。
⼩学校から⾼校、専⾨学校、短⼤、⼤学と並びます。これはいつもの履歴書と
何ら変わりません。この、「慣れた欄」には安堵感さえ覚えるのですから、慣れ
は怖いと⾔うしかありません。
次が職歴です。
仕事⼈間としての⼈⽣に多くを費やしてきた⼈は、本領発揮されるページで
あり、やや量的に少なく残念なのですが、このノートの主⼈公が主婦であった場
合は、こんな感じかな〜と。⼈は⼀様ではない、と⾔う当たり前の感想を持たず
にはいられないと⾔うことに気づきました。
3枚⽬は、「健康の記録」。
その1項⽬⽬が、健康保険証番号、介護保険証番号、⾎液型やアレルギーの有
無に常備薬のある無しなど。まさしく健康の記録です。これは「突然の出来事」
に対処するにはエンディングノートに限らず、常に携帯しておく項⽬です。
そして、かかりつけの病院や⼊院歴と続きます。
健康な⼈には無⽤の⻑物のような項⽬に⾒えるかもしれませんが、いつかの
ためには必須項⽬なのだと認識できました。⼈は、現在の⾃分に役⽴たないもの
が、未来永劫も変わらないと思い込むことがままあることの証左であり、それは
危険な考えだと再認識できました。
あまりに唐突ですが、どこかの遠い国の戦争が「他⼈事」のように思っている
⾃分がその代表なのではないか、と。

年⾦、不動産、貯蓄

ここから先は、年⾦、不動産、貯蓄、保険と、⾃分の持ち物に類することが並
びます。多くを有する⼈もそうでない⼈も、このような項⽬が⽣きていく上で必
要だと認識することができます。
そして、さらに遠い将来のような気がする「介護」についてです。
家族で⾒て欲しい、施設を利⽤したい、その他。
また、病名の告知や臓器提供など、背筋に冷たい⾵が吹いた気がする項⽬が出
てきたのです。そして、最後は「遺⾔書」と締め括られます。
親戚、友⼈のリストが並びます。電話帳を全部ひっくり返しても、こんなには
ないと思えるほどに⾏数が確保されていて、⾃分の今までを振り返るとちと、背
中が寒いと。なかなかの反省材料です。

やりたいことリストの効果

たっぷりの⾏数が確保されています。今までの反省含みが多かったページと
は違う感情が湧き出てきました。どんな⼩さなことでも書こう、⼀度やってみた
もののうまくいかなかったことも書こう、できそうかそうでないかなどは考え
ずに書こう、だって、「やりたい」ことなのだから。
やりたかった時期を思い出しつつ書きました。その時の⾃分を取り巻く環境
が思い出されて悔しかったり、⾃分の意気地無さを再確認したり。今度はうまく
いくだろうか、また、失敗すると嫌だな〜との思いは振り払って「やりたいこと」
だけに邁進しようと。
この最後のページを書くために、今までのページをめくってきたと思いまし
た。エンディンノートはスターティングノートです。

 

 

 

株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!

浦 登記(うら とき)

米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。

人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。

1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年   「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞

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