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2024年1月29日

障害者の法定雇用率等について

障害者雇用促進法では、従業員が一定以上の規模の事業主は、従業員に占める身体・知的・精神障害者の割合を法定雇用率以上にする義務があります。現状2.3%の法定雇用率ですが2024年4月より2.5%になり、2026年7月から2.7%に段階的に引き上げられる事になりました。これに伴い、常時雇用する労働者が43.5人以上の民間企業の場合は1名以上障害者を雇用しなければなりませんでしたが、2024年4月より40.0人以上に範囲が変更されております。

 

次に障害者雇用率制度における「常時雇用する労働者」に関して、登録型派遣労働者については、 契約の更新又は再契約に当たって多少の日数の間隔がある場合であっても、その企業(以下「派遣元」という。)と雇用契約を更新又は再契約して引き続き雇用されることが常態となっている場合には、派遣元の常用雇用労働者となります。

 

登録型派遣労働者の常用雇用労働者と短時間労働者の範囲を下記にまとめました。

*【基準】①~④の全てを満たした上で下記の記載条件を満たしている場合になります。

  1. 派遣元の常用雇用労働者*

→1週間の所定労働時間が30時間以上である場合

  1. 派遣元の短時間労働者*

→同一の事業所に雇用されている通常の労働者の1週間の所定労働時間よりも短い労働者で あって、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である場合

 

【基準】

①雇用契約が締結されている期間が年間328日を超えていること。

②一つの雇用契約期間の終了からこれに引き続く雇用契約の締結までの間隔が概ね3日(休日除く)以下であること。

③派遣元事業主との雇用契約期間中に離職や解雇がないこと。

④1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

 

また、労働者の範囲について事業所と最初の雇用契約を締結した日から1年を経過していない派遣労働者であって、上記①~④の基準を満たし、かつ今後雇用契約期間が断続しないと見込まれることにより最初の雇用契約を締結した日から1年以上引き続き雇用されると見込まれる場合は常用雇用労働者に含まれる場合があります。

 

上記の常時労働者に該当する方を対象に法定雇用率を掛けて法定雇用障害者数を算出します。また、令和6年4月1日から、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度の身体・知的障害者及び精神障害者(特定短時間労働者)についても1人をもって0.5人としてカウントできるようになります。

 

週所定労働時間 30時間以上 20時間以上
30時間未満
10時間以上
20時間未満
身体障害者 1 0.5
身体障害者【重度】 2 1 0.5
知的障害者 1 0.5
知的障害者【重度】 2 1 0.5
精神障害者 1 0.5※ 0.5

※精神障害者である短時間労働者で①かつ②を満たす方については、1人をもって1人とみなします。

①新規雇入れから3年以内の方 又は 精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の方

②令和5年3月31日までに、雇い入れられ、精神障害者保健福祉手帳を取得した方

 

《まとめ》

令和5年度の障害者雇用状況の集計結果より実雇用率は、12年連続で過去最高の2.33%(前年は2.25%)、法定雇用率達成企業の割合は50.1%という結果でした。冒頭でもお話をしましたが、民間企業は2024年4月からは40人以上の労働者がいる場合には1名以上障害者を雇用しなければなりません。その為、今後もより一層よりよい社会の実現の為に障害者雇用促進に取り組んでいきましょう。

 

 

 

社会保険労務士法人ユアサイド

綿引 文生(わたびき ふみお)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。

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