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2024年8月14日

説得する側とされる側のパターン

季節外れの年賀状について、ふと思うことがありました。
ほとんど年賀状を買わなくなって何年になるでしょうか。不義理と⾔うか、世
の中がそうだから〜と、⾃分勝⼿な⾔い訳をしつつ振り返ってみると、時代の流
れ合わせ、さらにコロナを契機にガクンと枚数が落ちています。その⾔い訳のト
ップはデジタル化でしょうか、LINE や Facebook などのコミュニケーションツ
ールを使って、簡単に済ませる⼼理が定着したためです。
電⾞の座席を⾒渡して、ほぼ7⼈が座っている場合、7⼈中6⼈はスマホ(携
帯電話=スマートホン)を⾒ています。残りの 1 ⼈は居眠りしていることが多
く、本を読んでいる⼈はまばらです。座れなくて⽴っている乗客を⾒渡しても、
ほぼ8割程度は吊り輪を持ちながらスマホ。寄りかかることができない場合も
両⾜を踏ん張りながらスマホ。そんなにしてまで何を⾒ているのか、どこの誰の
陰謀だか影響だかわかりませんが、なんだか空恐ろしい気がするほどです。
ここではその影響⼒が説得に関与する例を考えてみましょう。

何かをもらうとお返ししようとする⼼理

返報性の法則について。
もとに戻して年賀状の書き控え。久しく連絡が途絶えていた⼈から届いた年賀
状を⼿にして、慌てて返事を書くということがよくあります。これは何かをもら
うとお返ししようとする⼼理=返報性の法則が働いたためと⾔われています。
「説得に影響する6つの原理」(ロバート・チャルディーニ)にある有名な説得
⼼理です。年賀状やお中元、旅⾏のお⼟産など、思いつくことは様々ですが、そ
う⾔われれば確かに、です。また、それらのような物だけではありません。情報
の提供や役⽴つことをしてあげるとか、顧客へのサービスなどもこれに当ては
まります。律儀で真⾯⽬な⽇本⼈には、納得度の⾼い強烈な原理と⾔えそうです。
また、相⼿の幸せが⾃分の幸せと感じられるなら、してもらったことへの返礼は、
損得に関わらず⼈⽣の⼤きな成功が⼿に⼊るかもしれません。

⼀度約束すると、それを守ろうとする⼼理

確約の原理について。
ひとたび決定事項を⼝にするとそれを守ろうとする⼼理が働くとも⾔われて
います。やや古いのですが「武⼠に⼆⾔はない!」という⾔葉があるように、古
き良き⽇本には納得度が⾼いかもしれません。サラリーマンであれ、学⽣であれ、
コロコロと⾔うことが変わる⼈間は尊敬されない、信⽤されないという考えが
深く根付いているのは⽇本だけではなさそうです。
⼀度約束を交わすとそれを守ろうとする⼼理で、これをうまく使って顧客と
の会話に弾みをつける⽅法はよく知られています。
「健康って⼤事ですよね」
「そうですね、⼤事ですね」(イエス)
「⾼齢者は⾃分の健康をまもると⾔うことに無関⼼ではいられませんね」
「ええ、そう思います」(イエス)
「健康に気を使うようなことをしてらっしゃいますか」
「ああ、もちろん気を使っています」(イエス)
「それではこんな睡眠マットのご紹介ですがいかがでしょうか」
相⼿の⼩さな「イエス」を誘って商機を掴むという例です。

みんなが持っているものが欲しくなる⼼理

社会的証明の原理について。
⼈は多くの⼈がしていることに同調する傾向があると⾔われています。先に
書いた「電⾞の中のスマホ」がそれのいい例かもしれません。みなと同じになん
とも⾔えない安⼼感があり、引きずられてしまうのでしょうか。
私は新聞に載っている「今週の⼈気番組ランキング」なるものが好きなのです
が、これもその⼀つ。世間の傾向を知りたいという⼼理です。知ったからといっ
てどうなるものでもありませんが〜。⼦供が「クラスのみんなが持っている」こ
とを理由に、「⾃分もスマホが欲しい!」と親にねだるのもこの⼼理の⼀つ。ま
た、セレブの代表のような⼥性がテレビで紹介していた有名ブランドのバッグ
やドレスを欲しがる⼥性⼼理もこれにあてはまります。有名⼈が持っているも
のを⼿にした時の安⼼感から、持っていない⼈への優越感に変化する⼼理も興
味深いものがあります。

説得に影響を与える様々なパターンについて考えてみました。また、これ以外
にも好きな⼈の⾔うことを聞きやすい「好意の原理」、権威がある⼈の⾔葉を信
じやすい「権威の原理」、希少価値の⾼いものが欲しくなる「希少性の原理」に
ついては次回、お伝えいたします。

 

 

 

株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!

浦 登記(うら とき)

米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。

人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。

1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年   「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞

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