HuApp MEDIA HR業界のお役立ち情報を発信中 傷病手当金の支給期間通算化

2022年2月28日

傷病手当金の支給期間通算化

 

以前、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」においてお伝えした傷病手当金の通算化について厚生労働省のQ&Aを参考に詳細説明を致します。

 

※以前の記事:全世代対応型の社会保障制度の構築に向けて所要の改正

傷病手当金の支給要件はおおまかにいって下記の3点です。

1、業務外の病気やケガで労務不能であること

2、継続して3日以上休業していること →※休業4日目から支給対象

3、賃金を受けていないこと

 

それでは、上記の要件を満たしていれば際限なく支給を受けることができるのでしょうか。

ご存知の方は多いかもしれませんが同一傷病による支給については期限が定められており、

支給開始日から1年6か月とされております。

 

従来の制度では、途中で不支給期間があったとしても支給期限になれば打ち切られていたのですが、支給を受けた日の合算が1年6か月までと本年1月1日に改正されました。

 

これにより例えば復職して支給を受けていない期間がある場合、その期間は1年6か月の期間から減算されなくなりました。

従前の支給期限については、以前から癌治療等の断続的に治療(通院や検査入院)が行われる際に問題視されていた事項ではありますがこれに対応した形となります。

画像1

Q:労務不能のため傷病手当金を申請したが報酬や障害年金との併給調整により不支給であった場合、
支給期間は減少するのでしょうか。

A:不支給である場合には支給期間は減少しません。

併給調整により減額支給された場合には支給期間は減少します。

出産手当金の内払として傷病手当金が支給された場合には支給期間は減少します。

 

Q:資格喪失後の継続給付の取り扱いはどうなりますか。

A:従来通り要件を満たせば継続して受給できます。

ただし、一時的に労務可能となった場合には、治癒しているか否かを問わず再び同一疾病等で労務不能となった場合には

支給を受けることはできません。

 

手続自体はこれまでと変わりありませんがご本人への説明等において上記を把握し、誤りのない説明をすることが求められます。

 

 

 

社会保険労務士法人ユアサイド

綿引 文生(わたびき ふみお)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。

記事一覧へ