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2022年12月21日

産後パパ育休の施行に伴うイクメンプロジェクト

2022年10月1日より産後パパ育休が施行されました。

産後パパ育休とは、男性の産後休業です(※)。子の出生後8週間以内に4週間まで、育児休業とは別に休業を取得できます。

産後パパ育休の特徴は以下の3つです。

① 休業の申出については、原則2週間前まで

② 分割して2回取得可能(初めにまとめて申し出ることが必要)

③ 労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することができる(就業可能日の上限は、休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分、休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満です。)

産後パパ育休を取得する利点として、産後うつの防止が挙げられます。産後うつとは、一般的に産後約1か月以降にあらわれるうつ状態を指します。自分にはうまくできないと子育ての自信をなくし、ネガティブな感情が次々出て、食事や睡眠が十分にとれない状態が続いたりします。日本ではおよそ3割の人が産後うつの症状を示すと言われ、多くの女性を悩ませている症状です。そのため男性が育休を取得することにより、夫婦が役割を決めて子育てに向き合うことができるため負担の軽減につながると考えられます。

そのような状況の中、企業に求められているのがイクメンプロジェクトの内の一つである「イクボス」といわれる取組です。イクボスとは、部下や同僚等の育児や介護・ワークライフバランス等に配慮・理解のある上司のことを指し、「土日、定時以降は仕事の依頼をしません」「休暇取得をしやすい雰囲気を積極的に作ります」といった『イクボス宣言』をすることによって男性の育児休業の取組を見える化することができます。厚生労働省が管轄をしているイクメンプロジェクトのHPには、イクボスの取組事例が紹介されておりますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

産後パパ育休制度はまだ始まったばかりのため、施行されてからの事例が出ておりません。企業がこの制度をしっかりと理解をし、従業員に働きかけることが育児休業取得率の向上に繋がるとも言えます。「働きやすい・休みやすい環境」は企業だけが作るものではありませんが、よりよい社会の実現のために取り組んでいきましょう。

(※)養子縁組の場合など女性が取得できることもあります。

 

 

 

社会保険労務士法人ユアサイド

綿引 文生(わたびき ふみお)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、平成19年に社会保険労務士試験に合格。平成21年社会保険労務士法人ユアサイドに入社。令和3年11月パートナー社員就任。派遣会社を含む幅広い業種の企業をこれまでに100社以上担当。人の強みを生かす企業経営の一助となるとの想いで、日々労務相談や手続きに対応している。

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